淡々とつづる日記のようななにか
憲法と国際人権

お勧め本その3

宮澤俊義『憲法講話』(岩波新書、1967年)

憲法の入門書としては定評ある一冊。
かなり昔の刊行物だが、全く古びていない(ちなみに手元にあるのは1993年第35刷)。

本書には有名な「はしがき」がある(強調は、原文では縦書きの傍点)。


わたしは、ここで日本の憲法の重要な問題を講話ふうに解明しようとした。講話ふうとは、教壇ふうの意味である。マックス・ウェーバーもいったように、教壇は科学者の語る場所であり、預言者の語る場所ではない。教壇ふうとは、科学的な態度で語ることである。(中略)

わたしは、30年あまり前の著書のはしがきで、次の言葉を引用した。Je n'impose rien, je ne propose rien, j'expose !(わたしは、何もおしつけず、何も提案しない。わたしはただ、解き示す。)これはまさに、ここにいう教壇の態度である。わたしは、imposerし、proposerすることの重要性をじゅうぶん認めるが、exposerすることも、それに劣らず重要だと考えるので、ここでは、もっぱら教壇ふうに語ることにした。(中略)

かんじんなのは、imposerないしproposerとexposerとをかたく区別し、とくに後者のうちに前者をしのびこませないことである。




最初に本書を読んだのは大学生のとき。この「はしがき」には感動した。

内容についてくだくだしく紹介はしない。非常に読みやすい文章で、今に至るまで、ここまでわかりやすい文章を書く法学者、憲法学者はそうはいない。

最後に収録されている「神々の共存」などはいろいろな意味で示唆に富む。

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